用語解説

第5回:インターネット技術

LAN同士を相互に接続していくことで、世界的な規模にまで広がることになったネットワークがインターネットです。かつては学術研究目的に利用されていたものですが、一般ユーザに対しても門戸を開き、その接続サービスが台頭することで爆発的に普及を遂げました。

「インターネット」は世界規模のネットワーク

今では商用利用も盛んに行われており、インターネットという言葉はごく普通に利用されるインフラとして定着しています。特に近年目覚ましく進化を遂げているスマートフォンなどのモバイル端末分野においては、インターネットとの接続がサービス利用の大前提であると言っても過言ではありません。

このネットワークは、TCP/IPというネットワークプロトコルを基盤としています。この基盤においてデータの配送を担当するのがIPというプロトコルで、ネットワーク上の各コンピュータは、IPアドレスによって識別されます。

ルーター同士がバケツリレーのようにデータを流す

一方、LANとLANを接続するのはルーターの役割です。このルーターが経路を選びながらバケツリレーのようにデータを受け渡して行くことで、目的のネットワークへ通信データが送り届けられる仕組みです。

このインターネットでもっとも利用されているであろうサービスが、WWW(World Wide Web)電子メールです。

「WWW」は世界中を網羅するドキュメントシステム

WWWはインターネット上で標準的に用いられているドキュメントシステムで、普及の原動力ともなったサービスです。もっとも多く利用されているサービスであるため、インターネットという言葉がそのままWWWを示すことも少なくありません

WWWにおいて、ドキュメントはHTML(Hyper Text MarkupLanguage)という言語を用いて記述されており、ドキュメント間はリンクによって関連性を持たせることができます。主体はテキストデータですが、文書内に画像や音声・動画といった様々なコンテンツを混在させることができるのも大きな特徴で、これらはURLという形式でアドレスを指定することにより、世界中のどこからでも閲覧することができるようになっています。

「電子メール」はネットワークを利用した手紙

一方、電子メールは簡単に言うと、手紙をコンピュータネットワーク上でやりとりできるようにしたものです。利用する各人は、それぞれ自身の電子メールアドレスを持ち、このアドレスを宛先として、コンピュータ上で書いたメッセージを相手に送ります。これがネットワークを通って届けられるわけですが、当然実際の手紙のようなタイムラグはありません。加えてメッセージ本文にファイルを添付することであらゆるデータのやり取りもできる利便性から、非常に重宝されているサービスです。

「VPN」は仮想的な専用線空間を構築して拠点間を接続する

また、インターネット自体が世界的なネットワークということから、通信インフラと捉えて利用する動きも活発です。その代表的なものがインターネットVPN(Virtual Private Network)です。これはインターネット上に仮想的な専用線空間を作り出すことで、拠点間を安全に接続するための技術です。この技術の主体となるのが暗号化技術で、仮想的な専用線空間は、拠点間で暗号化した通信データをやり取りすることによって作り出したものです。

暗号化技術の発達が、新たなサービスを生み出していく

ここでいう拠点間とは、たとえば企業の支社間を接続するなどのケースで、従来だとこうした広域ネットワークであるWANを構築するには高価な専用線を用いる必要がありました。しかし、既存のインターネット回線を転用することができれば、高価な回線費用は必要ありません。それを暗号化技術によって可能としたことで、WANの構築は大変安価に行うことができるようになりました。

インターネットには他にも様々なサービスが存在し、一部は廃れて消え去り、また新しいサービスが台頭し····としながら、その様相を日々刻々と変化させています。今この瞬間も新しい技術が考案されているため、こうしたサービスは今後も広がりを見せていくことでしょう。

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>>続く【第6回】ネットワークプロトコル

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