用語解説

第110回:テザリング

テザリング(tethering)

テザリングとは、スマートフォンなどの高機能端末が持つ機能のひとつです。この機能を用いることで、スマートフォンを外付けモデム、もしくは無線LANのアクセスポイントとして動作させることが可能となり、他のコンピュータに対してインターネット接続を提供できるようになります。

テザリングによって行うインターネット接続には、携帯電話会社網のデジタル通信サービスを利用します。したがって、この機能を利用できるスマートフォンを1台持っているだけで、携帯電話会社のサービス地域内ならどこでも、ノートパソコンやタブレット製品(iPadなど)をインターネットにつなぐことできるわけです。

従来であれば、このような使い方には別途データ通信専用の端末やカードを契約するのが一般的でした。つまりユーザ視点で見れば、従来必要であった契約が不要となり、スマートフォン1本に集約できるようになるというメリットがあります。近年では、テザリングに別途料金を課することもなくなりつつあるので、料金的なメリットも大きくなりました。

しかし一方で、パソコンでの通信はスマートフォン単体で行われる通信よりもデータ量が大きくなりがちであるため、サービス提供側からすれば、増加する負荷をどのように吸収するかが悩ましいところだといえます。現在は各社とも月の通信量に制限を設けることで、この問題に対処しています。

一部ではこの用語を「デザリング」と誤って発音するケースが見受けられますが、テザリングとは「tether(つなぐ、縛る)」といった意味の英単語を動名詞形(tethering)にしたものであるため、頭の「テ」が濁ることはありません。

関連用語

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