用語解説

第111回:輻輳(ふくそう)

輻輳(congestion)

「輻輳(ふくそう)」とは、物が1カ所に集まって混み合うという意味の言葉です。通信の世界では、「回線が混み合う」という意味でこの言葉を用います。たとえばチケット予約で電話が殺到した結果、「ただいま回線が混み合っております、しばらく経ってからおかけ直しください」などのアナウンスが流れることがありますが、これはその回線が輻輳のためにつながりにくくなってしまっているからです。

こうした現象は特に災害時の安否確認や、年末年始の「おめでとうコール」などで顕著です。いったんつながりにくくなると、リダイヤルを繰り返す利用者が多いため、それがさらなる輻輳の悪化を招く悪循環へとつながります。
このような輻輳現象は音声通話に限るものではなく、パケット通信のように「複数人で回線を共有して利用できる」という特性を持つデータ通信においても、同様に発生します。

パケット通信における輻輳現象は、ネットワークに流入するデータ量が通信回線の許容範囲を超えることで発生します。回線に送られてきたパケットは、順にネットワークの中継機能を持つルータへと運ばれます。そして、自分の順番が来るまで「転送待ち」という状態で待つことになります。しかし、その数があまりに多いと、いつまで待っても転送の順番が回ってきません。

その結果、パケットの遅延もしくは欠損が生じて、メールなどのデジタルデータが送受信できなくなってしまうのです。

最近ではパケット通信の利用が増加の一途を辿ることから、一部の携帯会社では都市部においてこうしたパケット通信の輻輳が頻出し、「つながらない」「メールが取得できない」など深刻な状況にあるとも言われています。

関連用語

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