用語解説

第30回:リピータ

リピータ(repeater)

リピータとは、OSI参照モデル第1層(物理層)の中継機能を提供する装置です。ネットワークは、LANケーブル上に電気信号を流すことで通信データを送出します。しかし、ケーブルが長くなるにしたがって、その中を流れる電気信号は減衰して、最終的には解釈不可能な信号となってしまいます。そのため、LANの規格においては10BASE-5や10BASE-Tといった各方式ごとに、ケーブルの総延長距離が定められています。リピータはこの減衰してしまった信号を増幅して送出することで、LANの総延長距離を伸ばすことができる中継器というわけです。

このリピータ、イメージとしては拡声器のようなものを想像すれば良いでしょう。本来なら聞こえないほど遠くの場所でも、途中で拡声器によって音声を増幅することで、こちらにまで音を届かせるという動作に似ているからです。

ただしその特性上、単純に入力された波形を整形して送出するだけになりますから、本来なら中継する必要のないエラーパケットなども中継してしまいます。これは無駄なデータがネットワーク上を必要以上に流れてしまうことになり、効率という面では望ましくありません。

Ethernetでは、このリピータを4つまで同一経路上に用いて、総延長距離を伸ばすことができます。上限が用いられているのは、何段階もリピータを経由すると信号が歪んで解釈不能になってしまうことと、総延長距離が長くなりすぎることによって、コリジョン(衝突) 検知の仕組みが有効に動作しなくなってしまうことからきています。このリピータを複数束ねてマルチポート化したものをハブと呼びます。

関連用語

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