用語解説

第60回:Token Ring(トークンリング)

Token Ring(トークンリング/IEEE 802.5)

Token Ring(トークンリング)とは、IBM社によって提唱されたネットワーク規格で、通信速度として4Mbpsと16Mbpsの2種類が普及しています。

ネットワークの各コンピュータをリング状に接続するリング型LANに属し、通信制御にはトークンパッシング形式を用います。トークンパッシング形式とは、ネットワーク上に送信の権利を示すToken(トークン)という名前のデータを流す方式で、このTokenによって送受信の管理を行うものです。

通常、ネットワークに何も送信データがない間は、このTokenが単独で流れています。各コンピュータはTokenを受信して、何もデータが存在しなければ、そのまま次のコンピュータへと流します。このように、1方向に向かってTokenだけがバケツリレーのように受け渡されていくのが無負荷時の状態です。

送信したいデータが発生したコンピュータは、このTokenが手元に来るのを待ちます。そしてTokenをつかまえると、その後ろに送信データを付加して、再度バケツリレーを継続します。以後、Tokenを受け取ったコンピュータは、そのデータが自分宛てのものであるかチェックし、自分宛てでなければそのまま次へ渡し、自分宛てであった場合にはデータを取り出して、Tokenだけを再度送り出すのです。

このような仕組みによって送受信の管理を行うために、Ethernetにあるような「衝突(コリジョン)」という概念は原理的に発生しません。そのためネットワークの通信速度を効率良く利用することができます。

関連用語

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