TCP/IP(ティーシーピーアイピー)
インターネットの世界において、標準として用いられているネットワークプロトコルが「TCP/IP(ティーシーピーアイピー)」です。OSI参照モデル第3層 (ネットワーク層)のIPを中心とした、複数プロトコルの集合体を総称してこのように呼びます。
TCP/IPは、主に第4層(トランスポート層)に位置するTCPとの組み合わせによって構成されています。たとえばインターネット上の代表的なサービスであるWWWのHTTPなどは、このプロトコルを基盤として動作しています。
このプロトコルにおいて通信上でやり取りされるデータは、パケットという単位に分けられます。個々のパケットには宛先住所(相手先IPアドレス)が付加されて、これがネットワーク上を、まるでベルトコンベアで流される荷物のように、どんぶらこっこと相手先まで届けられていくわけです。
下位層となるIPは、ネットワーク上における各機器のアドレス割り当てや、そのアドレスをもとにパケットを伝送する役割を持ちます。簡単に言えば、機器の住所を定め、そこまでデータを届けるためのプロトコルというものです。先ほど述べた宛先住所の付加や、ベルトコンベアという役割を担うことになります。
上位層となるTCPは、このパケットの受信確認を行うことで、正しく順番通りにパケットが届けられることを保証します。これによって信頼性の高い、確実なデータ送受信が可能となるわけです。
ただし受信確認やパケットの再送といった手順により、TCPはかなり重めのプロトコルとなっています。そのため、信頼性よりも処理の軽さや速度といった点を重視するUDPというプロトコルも用意されており、用途に応じて使い分けられています。