<<第3回:サーバのどの部分を使う?クラウドサービスの分類化【SaaS・PaaS・IaaS・クラウド・レイヤ2スイッチ・ルータ・レイヤ3スイッチ】
この記事のポイント
- PCやサーバ、ネットワーク機器にはネットワークに接続するためのインタフェースが備わっている
- インタフェース同士を伝送媒体(ケーブルなど)で接続してリンクを構成してネットワークをつくりあげる
- インタフェースは「0」「1」のデジタルデータと物理的な信号の境界
ネットワークの具体的な構成
インターフェース(ポート)、リンク
ネットワークの具体的な構成について考えましょう。
インタフェース
ネットワーク機器同士やPC、サーバなどを接続するために、それぞれの機器にはインタフェースが備わっています。現在、最も一般的に利用されているのがイーサネットのインタフェースです。
インタフェースという言葉は、しばしばポートと呼ばれます。インタフエースもポートも同じ意味の言葉として考えましょう。イーサネットのインタフェースは、イーサネットポートやLANポートとも呼びます。
伝送媒体とリンク
各機器に備わっているインタフェース同士を接続(リンク)します。インタフェース同士を接続するケーブルを伝送媒体と呼んでいます。伝送媒体を通じて、データを変換した電気信号などの物理的な信号が伝わっていきます。
伝送媒体は有線のケーブルだけではなく、無線の電波の場合もあります。Wi-Fi(ワイファイ)のように伝送媒体が無線の場合はインタフェースもリンクも目に見えませんが、無線に対応した機器同士がつながっている無線のリンクもあります。
このように、いろいろな機器のインタフェース同士を伝送媒体で接続してリンクを構成することで、ネットワークができます。
具体的なネットワークの構成例
インターフェースは何の境界か?
インタフェースは「境界」という意味で、ネットワークのインタフェースは「0」「1」のデジタルデータと電気信号などの物理的な信号の境界です。PCやスマートフォン、ネットワーク機器などが扱う「0」「1」のデジタルデータは、電気信号などの物理信号に変換されてインタフェースから送り出され、リンク上を伝わっていきます。
インターフェースは境界
ネットワークをつくる
次の項目のポイント
LANを構築するための主流の技術は次の2つ
- イーサネット
- 無線LAN(Wi-Fi)
- イーサネットインタフェースを備えた機器のイーサネットインタフェース同士を接続して、LANを構築する
- 無線LANのインタフェースを備えた機器同士で無線LANのリンクをつくる
LANの構築
LANの主流技術
社内ネットワークや個人ユーザの家庭内ネットワークなどのLANはとても身近になっています。LANは利用するユーザが自分でつくりあげるネットワークです。現在、LANを構築するための主な技術は次の2つです。
LANの構築
ユーザが自らLANを構築するためには、イーサネットのインタフェースを持つルータやレイヤ2、レイヤ3スイッチなどのネットワーク機器を準備します。
家庭内ネットワークの構築
それらの機器のイーサネットインタフェースをLANケーブルで接続していくことで、機器間のリンクが構成され、LANが出来上がります。これはいわゆる有線LANとなります。
無線LANを利用するには、ネットワーク機器である無線LANアクセスポイントと、無線LANのインタフェースを持つPCやスマートフォンなどを準備する必要があります。ほとんどのノートPCやスマートフォンには無線LANのインタフェースが備わっています。無線LANアクセスポイントは「無線LAN親機」、ノートPCやスマートフォンは「無線LAN子機」と表現することもよくあります。そして、それぞれに必要な設定を行うと、無線LANのリンクが出来上がります。また、無線LANだけで通信を行うことはなく、無線LANと有線LANを接続します。
こうしたLANの構築は、規模の違いがあるだけで、家庭内ネットワークでも社内ネットワークでも同じです。
社内ネットワークの構築
どんなネットワークをつくりたいか?
次の項目のポイント
- ネットワークを設計する主なプロセス
- 要件定義
- 設計
- 構築
- 運用管理
ネットワークの設計
ネットワークの設計のプロセス
ただ単にインタフェース同士を接続しても、ネットワークの構築はできません。家庭内ネットワークぐらいの小規模なネットワークであれば、行き当たりばったりでつくれることもありますが、企業の社内ネットワークではそうはいきません。あらかじめどんなネットワークをつくりたいかを考える必要があり、それをネットワークの設計と呼びます。ネットワークは、大きく分けて4つのステップで設計することができます。
1. 要件定義
一番重要なのが要件定義のプロセスです。要件とは、ネットワークに求められる機能や性能です。ユーザのネットワークの利用目的を洗い出します。どんなアプリケーションのデータがどの程度発生して、どのように転送しなければいけないのかというネットワークに必要な機能や性能を明確にします。
2. 設計
要件を具体的なネットワーク構成に落とし込むのが狭義においての設計です。きちんと設計するためには、ネットワークの仕組みがわかっていないと話になりません。また、ネットワークを構成する機器も決めなければいけないので、ネットワーク機器の製品知識も必要です。さらにネットワーク機器の設定も設計のプロセスで決めておきます。
3. 構築
設計で決めたネットワーク構成に従って、ネットワーク機器の配置や配線、設定を行います。そして、きちんと動作するかを確認します。
4. 運用管理
日々、ネットワーク機器の状態のチェックなどを行います。問題が起こったら、その原因の特定と修復で正常に動作するようにします。
プロセス | 概要 |
---|---|
要件定義 | ネットワークに必要な機能や性能を明確にする |
設計 | 要件定義で決めた要件を満足できるような具体的なネットワーク構成を決定する |
構築 | 設計したネットワークにもとづいて、機器の配置、配線、必要な設定を行う |
運用管理 | ネットワークが正常に動作するようにチェックする。問題があればその原因を特定して修復する |
>>第5回:ネットワークの構成を把握しよう【論理構成図・物理構成図・ネットワークインタフェース層・インターネット層・トランスポート層・アプリケーション層・TCP/IP・エンドツーエンド通信】