用語解説

第113回:コンピュータウイルス

コンピュータウイルス(computer virus)

コンピュータウイルスとは、他者のコンピュータに入り込んで、なんらかの被害をもたらす不正なプログラムのこと。通産省の定義によると、「自らの機能、もしくはシステムの機能を利用して、自らを他のシステムにコピーして伝染する機能(自己伝染機能)」「発病するための条件を記憶して、それまで症状を出さない機能(潜伏機能)」「プログラムやファイルの破壊など、意図しない動作をする機能(発病機能)」という3つのうち、1つ以上を有するものとあります。自己を増殖させながら感染を広げていく様が実際のウイルスに酷似していることから、こうした呼ばれ方をするようになりました。

感染は基本的に「インターネットからダウンロードしたファイル」や「電子メールの添付ファイル」、「他人から借りたUSBメモリなどのリムーバブルメディア」を介して行われます。こうしたケースでは、そのファイルを開くか実行するかしない限り、感染することはありません。狭義のウイルスは、このような「宿主となるプログラムファイルの実行によって感染先を広げる」ものを指し、以降の2種とは明確に区別しています。

「ワーム」と呼ばれる種類のウイルスは、そうした媒体を介すことなくコンピュータに侵入し、感染を広げます。これは、システムに生じた「セキュリティホール」という安全上の穴をついたもので、インターネットなどのネットワーク越しに、無防備なコンピュータを探し出して感染活動を行います。

「トロイの木馬」と呼ばれる種類は、一見便利なソフトウェアを装いながら、その実は裏でパスワード情報を抜き出したりなど、システムに不正な動作をさせるものがこれに該当します。ただ、最近では「システムの破壊を伴わず情報を盗むのみ」を目的としたものは、「スパイウェア」と呼んでウイルスとは区別するのが一般的です。

それらすべてを総称した、「コンピュータに被害をもたらすプログラム全般」を示す言葉がマルウェアです。これらの駆除や感染防止には、「アンチウイルス」もしくは「ワクチン」などと呼ばれるソフトウェアが用いられます。

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