用語解説

第106回:マイクロセル方式

マイクロセル方式(microcell)

セルとは、単一の基地局でカパーできる範囲のこと。マイクロセル方式とは、狭いカバー範囲を多数配置することで、エリア全体をカバーする方式を指します。

移動体通信の世界では、PHSがこの方式を採用しています。

PHSの基地局は小出力であるため、ひとつひとつの基地局では狭い範囲しかカバ一することができません。したがって広いエリアをカバーするには、基地局の数を増やす必要が出てきます。基地局の設置コスト自体は安価ですが、エリア内に穴ができないよう配置するにはそれなりに数が嵩みます。そのためエリアの拡大には、多くの時間とコストを要するのが普通です。

しかし、ともすれば非効率ともとれるマイクロセル方式ですが、多数の基地局を用いてエリアをカバーする方式という特性が、ひとつの基地局にぶら下がる利用者の数を少なく抑えることができるというメリットも生んでいます。

通常、ひとつの基地局に多くの利用者が殺到すると、その基地局がカバーする範囲は処理が間に合わず、「電話がつながりにくくなった」「通信速度が急激に低下した」などの障害を生む要因となります。しかしPHSのようなマイクロセル方式では多数の基地局が設置されているため、エリア内で負荷が分散され易く、このような問題が生じ難いのです。

こうした特性に目を付け、本来はマクロセル方式を用いる携帯電話サービスの分野でも、人口密度の高い都市部などでマイクロセル方式を導入する事業者が出てきています。

関連用語

>>戻る【第105回:マクロセル方式】

>>続く【第107回:ハンドオーバー】

第106回:マイクロセル方式

TOP