用語解説

第103回:PHS(ピーエイチエス)

PHS(Personal Handyphone System)

PHSとはPersonal Handyphone Systemの略。当初は「第2世代デジタルコードレス電話」「簡易型携帯電話」とも言われ、「自宅にあるコードレス電話の子機を、そのまま外に持ち出して使えるようにできないか」が発想の原点でした。

法令上は携帯電話とはっきり区別されていますが、「携帯して持ち歩くことのできる電話機」という意味では類似点が多く、そのため携帯電話の一種という見方が主流です。

PHSの特徴は、基地局を簡素化して各種コストを抑えたところにあります。基地局は屋内でも設置可能な小型の簡易基地局を利用します。この基地局が出す電波は非常に弱いもので済むため、携帯電話基地局のように大がかりな設備を必要としません。電話機自体の電波出力も小さく、そのため機器の小型化が容易で、安価に製造することが可能です。

一方、電波が微弱であるがためにひとつの基地局でカバーできる範囲は狭く、数10km単位で基地局を設置すればよい携帯電話と違って、100m~500m程度の間隔で密に基地局を設置する必要がありました。しかし、サービスイン当初はその密度が足りておらず、また移動中に基地局と基地局とを切り替えるハンドオーバー処理も不得手であったがために、「PHS=つながらない、切れやすい」という悪評を生むことになりました。

近年ではそうした欠点はほぼ解消されていましたが、通信事業者の撤退も進み、最後に残った個人向けサービスも2020年には完全終了することが決まっています。法人向けや医療機関などで一部利用が続いているものの、それも少しずつスマートフォンに置き換わりつつあります。

関連用語

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