用語解説

第105回:マクロセル方式

マクロセル方式(macrocell)

セルとは、単一の基地局でカパーできる範囲のこと。マクロセル方式とは、大出力の基地局を用いることにより、ひとつの基地局で広い範囲をカパーする方式を指します。

移動体通信の世界では、携帯電話がこの方式を採用しています。

この方式ではひとつの基地局で数kmもの範囲をカバーするため、「エリアの拡大が容易」「高速移動中の通話に強い」という特徴があります。しかし、建物等に遮られて電波の届かない範囲ができてしまったり、単一基地局で収容しなければいけない人数が多くなりすぎるなどの問題もあります。特に人口密度の高い都市部では収容人数の問題が深刻で、時には1利用者あたりの通信速度を下げるなどして、回線のパンクを避けなければいけません。通信速度が下がると、音声をより圧縮して送らなければならず、通話品質は自ずと劣化します。

上記の問題を解消するために、都市部ではマイクロセル方式を併用するという事業者も出てきています。その一方で、マイクロセル方式を採用するPHS事業者が、「より広範囲のエリアをカバーするため」として、一部地域でマクロセル方式を併用するという動きもあったため、単純にサービスで区分けできるものでもなくなりつつあります。

マクロセル方式では、基地局からだけでなく携帯電話機自体からも強い電波を発します。そのため、発生する電磁波によって機器が誤作動を起こすとされ、病院や飛行機の中などでは、その利用を制限されるのことが珍しくありません。

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第105回:マクロセル方式

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