用語解説

第85回:IMAP(アイマップ)

IMAP(Internet Message Access Protocol)

IMAPとは、受信したインターネットメールをサーバから取得するためのネットワークプロトコルで、通常は通信ポートとして143番を使用します。現在はIMAP4というバージョンが利用されています。

受信メールをサーバから取得する用途としては、他にPOPという受信用のプロトコルが存在します。両者ともに「メールを取得する」という目的は同じですが、根本的な考え方は異なっており、主にデータの置き場所に違いを見て取ることができます。

POPは基本的に受信メールをダウンロードするためのプロトコルです。そのためサーバ側にデータは残らず、複数のコンピュータを使い分けているような環境では、データを共有することが困難でした。たとえば、会社のコンピュータで受信した電子メールは、自宅のコンピュータでは参照できません。双方のコンピュータ上で同じデータを共有するためには、手動でファイルのコピーを行なう必要がありました。

これに対し、IMAPでは送信した電子メールを含む、すべての送受信データをサーバ上で管理します。したがって、データは常に1ヶ所で管理されており、このプロトコルに対応した電子メールソフトさえあれば、どのコンピュータからでも同じデータを用いて電子メールの送受信が行えます。

IMAPのプロトコル仕様は、POPに比較して複雑であったため、当初は対応した電子メールソフトが少なく、そのためさらに普及が遅れるという悪循環に陥っていました。しかし、現在では主要な電子メールソフトの対応も進み、広く利用されるようになっています。

関連用語

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