用語解説

第107回:ハンドオーバー

ハンドオーバー(Hand Over, H/O)

ハンドオーバーとは、通話やパケット通信を移動しながら利用している際に、携帯電話PHSなどの電話機本体が、接続する基地局を切り替えることです。

携帯電話などの移動体通信サービスは、基地局をひとつの「セル」と見なし、そのセルを複数配置することでサービスエリアをカバーするのが特徴です。この時、1つのセルがカバーする範囲は決まっているので、セルとセルの間には境目が存在します。そして、移動しながら通話をしていると、当然これをまたぐケースが発生します。

このような、セルの境目などで電波が弱くなった時に、その時点でより強い電波を発している基地局へ接続を切り替える処理を「ハンドオーバー」といいます。

通話やパケット通信等のサービスは、基地局と接続することで行われます。したがって、接続中の基地局がカバーしている範囲より外に出てしまえば、接続は切れてサービスが受けられなくなります。そうなる前に、移動先のエリアを担当する基地局に接続を切り替えて、サービスが継続して受けられるように振る舞うわけです。

過去のPHSにおいては、このハンドオーバー処理はかなり苦手な分野でした。処理自体に時間がかかることに加え、その間は通話が遮断されしまうこと。マイクロセル方式であることから基地局のカバー範囲が狭く、ハンドオーバーが頻繁に生じていたこと。高速移動中には処理が追いつかず切断されていたこと等により、「PHSは切れやすい」という悪評を買う一因となりました。

現在はPHSでも処理が改善されており、携帯電話も含めて多くの場合は一瞬で処理が終わるため、利用者がハンドオーバーを意識することはまずありません。

関連用語

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