<<第17回:同じネットワーク内での転送を繰り返す【イーサネット・無線LAN・Wi-Fi・IEEE802委員会・LANケーブル・UTPケーブル】
この記事のポイント
- MACアドレスでイーサネットインタフェースを特定する
- MACアドレスは前半24ビットのOUIと後半24ビットのシリアル番号の48ビット
- MACアドレスは16進数で表記する
インタフェースはどれ?
MACアドレスとは
インタフェースを特定する
イーサネットは、イーサネットインタフェース間でデータを転送することから、イーサネットインタフェースを特定しなければいけません。イーサネットインタフェースを特定するためにMACアドレスがあります。
MACアドレスとは
MACアドレスとは、イーサネットのインタフェースを特定するための48ビットのアドレスです。MACアドレスの48ビットのうち、先頭24ビットはOUI、そのあとの24ビットがシリアル番号という構成です。OUl(※3)はイーサネットインタフェースを製造しているベンダ(メーカ)の識別コードです。
シリアル番号は、各ベンダが割り当てています。MACアドレスはイーサネットインタフェースにあらかじめ割り当てられていて、基本的に変更できないアドレスで「物理アドレス」や「ハードウェアアドレス」と呼ぶこともあります。
MACアドレスの表記
MACアドレスは、16進数で表記します。16進数なので「0」~「9」および「A」~「F」の組み合わせです。表記のパターンには、次のようにいろいろあるので間違えないように注意してください。
- 1バイトずつ16進数に変換して「-」で区切る
- 1バイトずつ16進数に変換して「:」で区切る
- 2バイトずつ16進数に変換して「.」で区切る
一般的に使われるインタフェースとケーブルは?
次の項目のポイント
- 広く利用されているイーサネット規格はRJ-45インタフェースとUTPケーブルを採用している
- UTPケーブルは品質によってカテゴリ分けされている
RJ-45のインタフェースとUTPケーブル
よく使うイーサネット規格
イーサネットにはさまざまな規格があり、規格ごとに使用できるインタフェースやケーブルが異なります。さまざまなイーサネット規格の中で最も広く利用されている規格としては、「10BASE-T」「100BASE-TX」「1000BASE-T」「10GBASE-T」が挙げられます。
これらの規格はすべて、RJ-45のイーサネットインタフェースとUTPケーブルを採用しています。
UTPケーブル
UTPケーブルはイーサネットの伝送媒体として、現在広く一般的に利用されています。いわゆるLANケーブルがUTPケーブルです。
8本の絶縁体で覆われている銅線を2本ずつよりあわせて4対にしています。よりあわせることによってノイズの影響を抑えています。UTPケープルはケーブルの品質によって、カテゴリ分けされています。カテゴリによってサポートできる周波数が異なり、それぞれ用途や伝送速度が決まります。
RJ-45のイーサネットインタフェース
RJ-45は、UTPケーブル用のイーサネットのインタフェースとして現在では非常に幅広く利用されるようになっています。UTPケーブルに合わせて、8本の端子があり電気信号(電流)を流す回路を最大で4対形成できます。
データのフォーマット
次の項目のポイント
- イーサネットで転送したいデータにイーサネットヘッダとFCSを付加してイーサネットフレームとする
- イーサネットヘッダ内にMACアドレスを指定して、どのインタフェースからどのインタフェースへ転送するデータであるかを示す
イーサネットのフレームフォーマット
イーサネットの「データ」
イーサネットでデータを転送するためには、転送するデータにイーサネットヘッダをつけます。イーサネットヘッダだけではなく、FCSもつけられます。FCSはエラーチェックを行うためのものです。イーサネットヘッダとデータ、そしてFCSを合わせた全体をイーサネットフレームと呼びます。
大事なのはMACアドレス
イーサネットヘッダの中には3つの情報があります。
- 宛先MACアドレス
- 送信元MACアドレス
- タイプコード
このうち、大事なのは宛先と送信元のMACアドレスです。イーサネットによって、イーサネットインタフェース間でデータを転送することを思い出しましょう。どのインタフェースからどのインタフェースへ転送するべきデータであるかをMACアドレスで指定しています。そして、タイプコードはイーサネットで運ぶ対象のデータです。タイプコードの数値が決められています。現在は、TCP/IPを利用するのでタイプコードとしてIPv4 を示す0x0800が指定されることが多くなっています。
そして、転送対象となるデータは、64バイトから1500バイトの間と決められています。データサイズの最大値のことをMTU(Maximum Trans-mission Unit)と呼びます。MTUを越えるデータは複数に分割して転送することになります。こうしたデータの転送はたいていTCPで行います。
イーサネットヘッダとデータ部分およびFCS をすべてまとめたイーサネットフレームとしては、64~1518バイトの範囲のサイズです。
>>第19回:どのように接続するか?【トポロジ・バス型・スター型・リング型・CSMA/CD・レイヤ2スイッチ・VLAN・スイッチングハブ】