第26回:ルーティングテーブルの最も基本的な情報【直接接続・スタティックルート・ルーティングプロトコル・ルート集約】

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この記事のポイント

  • ルーティングテーブルにルート情報を登録する方法は3つ
  • 直接接続
  • スタティックルート
  • ルーティングプロトコル
  • インタフェースにIPアドレスを設定すると直接接続のルート情報がルーティングテーブルに登録される

ルーティングテーブルの最も基本的な情報

直接接続とは

ルーティングテーブルのつくり方

ルーティングテーブルにルート情報を登録するには、次の3つの方法があります。

  • 直接接続
  • スタティックルート
  • ルーティングプロトコル

一番の基本は直接接続

直接接続のルート情報は、最も基本的なルート情報です。ルータにはネットワークを接続する役割があります。直接接続のルート情報は、その名前の通りルータが直接接続しているネットワークのルート情報です。直接接続のルート情報をルーティングテーブルに登録するために、特別な設定は不要です。ルータのインタフェースにIPアドレスを設定して、そのインタフェースを有効にするだけです。自動的に設定したIPアドレスに対応するネットワークアドレスのルート情報が、直接接続のルート情報としてルーティングテーブルに登録されます。

直接接続のルート情報

直接接続のルート情報

ルーティングテーブルに登録されているネットワークのみ、IPパケットをルーティングできます。つまり、ルータは特別な設定をしなくても、直接接続のネットワーク間のルーティングが可能です。逆にいえば、ルータは直接接続のネットワークしかわかりません。

ルータに直接接続されていないリモートネットワークのルート情報をルーティングテーブルに登録する方法は別にあります。

直接接続されていないルート情報を登録する方法


次の項目のポイント

  • リモートネットワークのルート情報を登録する方法は2つある
  • スタティックルート
  • ルーティングプロトコル
  • スタティックルートはネットワークアドレス/サブネットマスクとそのネクストホップアドレスをコマンド入力して登録する
  • ルーティングプロトコルは、ルータ同士で情報を交換してルート情報を登録する

スタティックルート、ルーティングプロトコル

リモートネットワークのルート情報を登録

直接接続のルート情報に加えて、そのルータに直接接続されていないりモートネットワークのルート情報を登録しなければいけません。

コマンドを入力する

スタティックルートはルータにコマンドを入力するなどして、ルート情報を手動でルーティングテーブルに登録する方法です。

コマンドはメーカーごとに異なるものの、ネットワークアドレス/サブネットマスクとそのネクストホップアドレスをコマンドで入力することで、ルーティングテーブルに登録します。

スタティックルート

スタティックルート

ルータ同士で情報交換させる

ルータでルーティングプロトコルを有効化すると、ルータ同士で情報交換してルーティングテーブルに必要なルート情報を登録してくれます。

ルーティングプロトコル

ルーティングプロトコル

ルーティングプロトコルにはいくつかの種類があります。

主なルーティングプロトコル
名前 概要
RIP (Routing Information Protocol) 主に小規模なネットワークで利用する
OSPF (Open Shortest Path First) 中規模~大規模なネットワークにも対応できる
BGP(Border Gateway Protocol) 主にインターネットのバックポーンで利用する

膨大なルート情報をまとめて登録する方法


次の項目のポイント

  • ルート集約で複数のネットワークアドレスを1つにまとめてルーティングテーブルに登録できる
  • ルート集約を行うと、ルーティングテーブルをすっきりさせることができる

ルート集約とは

1つずつ登録するのは大変

ルータのルーティングテーブルには転送する可能性があるすべてのネットワークのルート情報が必要です。

ですが、すべてのネットワークのルート情報をルーティングテーブルに登録するのは大変です。例えば、大規模な企業ネットワークであれば、数百から1000以上の数のネットワークが存在することがあります。また、インターネット上には数え切れないほどの膨大な数のネットワークが存在します。

ルート集約でまとめて登録

リモートネットワークへのルーティングの動作を考えると、膨大な数のルート情報をルーティングテーブルに1つずつ登録してもあまり意味がないこともあります。ルーティングの動作は、隣のルータ(ネクストホップ)まで送ればよいわけです。そのため、ネクストホップが共通しているネットワークを1つずつ登録する意味はあまりありません。

そこで、ルート集約を考えます。

ルート集約の例

ルート集約の例

ネクストホップが共通しているリモートネットワークのルート情報を1つにまとめて登録することができます。ルート集約を行うと、ルーティングテーブルをすっきりとさせることができます。スタティックルートで設定をするときにルート集約をすれば、設定する数を減らすことができます。ルーティングプロトコルであれば、ルータ同士がやりとりするルート情報を少なくして、ネットワークに余計な負担をかけずに済むようになります。

>>第27回:ルート情報を究極にコンパクトにする方法【デフォルトルート・レイヤ3スイッチ・VLAN(Virtual LAN)】

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