用語解説

第116回:秘密鍵暗号方式

秘密鍵暗号方式(private key encryption system)

インターネットのように不特定多数が利用するネットワークで通信を行う際、その経路上には「やり取りするデータが盗聴される恐れ」が常につきまといます。

この時、「盗聴されないように」ではなく「盗聴されても中身がわからないように」という考え方に基づいて「データの中身を第三者にはわからない形へと変換してしまう」ことを暗号化といいます。

暗号化を理解する上で必要になるのが「暗号アルゴリズム」という考え方です。

たとえばAさんからBさんへ「あすはハレ」という文を送るとしましょう。この時、AさんとBさんの間でひとつ決めごとをするとします。たとえばそれは、「1文字ずつ後ろにずらして送る」という決めごとだとしましょう。そうすると、送られる文は「いせひヒロ」となるわけです。途中でこの文を見た人は、「いせひヒロ」とあってもまるで意味がわかりません。しかし決めごとを知っているBさんは、この文を受け取ると、1文字ずつ前に戻して元の「あすはハレ」という文を得るわけです(このように元の形に戻すことを復号と言います)。この決めごとが暗号アルゴリズム。暗号化の世界では、これを「鍵」と呼びます。

秘密鍵暗号方式は、上記のように、送信側(暗号化する側)と受信側(復号する側)とで同じ鍵を共有して行う暗号化方式です。共通鍵暗号方式とも言います。この方式では、第三者に鍵の中身を知られては暗号化の意味がなくなってしまいますから、鍵は秘密にしておかなければなりません。秘密鍵という名前はそこから来ています。

関連用語

>>戻る【第115回:ソーシャルエンジニアリング】

>>続く【第117回:公開鍵暗号方式】

TOP